無くした幸せを求めて、僕は地獄の弁護人となった。 あの日、両親を亡くし、消えることのないトラウマを負った姉弟。痛みを伴うことで母の思い出を求める姉サツキと、誰よりも長い夢を見ることで精神の安定を求める弟カツキ。これはカツキが地獄の弁護人を務めることで、二人が幸せを取り戻すまでの物語。 ※2017年10月にカクヨム様にて投稿した作品の書き起こしです。
『あなたがどんなに否定したって、冷たいものは冷たいし、痛いものは痛いんだ』どこかぎこちなかった姉妹が、あるべき姿を取り戻す物語。
子供から大人へ。その成長過程で得たものと失ったものに、少年は人生の道をひとつに決めた……
別れは必然的に、されど突然にやってくるもの。大抵の人々は、その運命を受け入れ、前に進み、自らの成長の糧とする。しかしながら、受け入れられずに悲しみの渦へと沈む人々がいるのも、また然り。月は恋人達の世を見つめ、悲しみに伏せる者の涙を照らしてきた。今宵、悲しみの渦中の人々が見る幻想は、自らの救いの想像か、他者からの希望の光かはたまた、月の光が見せた幻影なのか。
まぁ、いつものようにぼっちスクールライフを堪能していた俺。とうとう、俺は夢が現実に見えてきたのだ。────夢、というなの幻想。ただ、俺にはもうそれを見分けられも出来なかった。だって…………。